衆院解散 「第3の矢」実現性は 法人税決着先送り/TPP越年
管理者用「12月2日公示-14日投開票」の衆院選では安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」への評価が争点になる。特に「三本の矢」から成るアベノミクスのうち「第3の矢」である成長戦略は、目立った成果が挙がっていないとして、野党の批判の的になっている。安倍首相が「この道しかない」と訴える経済再生の青写真の是非が改めて問われるのは間違いない。
「私たちが進める成長戦略が正しいのか、ほかの道があるのか、選挙戦を通じて明らかにする」
首相は20日、都内で開かれた商工会全国大会でこう表明した。
これに対し、野党は「アベノミクスとやらの第3の矢は全く飛んでいない」(維新の党の江田憲司共同代表)「アベノミクスが成功していないから、消費税率の引き上げを延期するということだ」(民主党の海江田万里代表)と批判を強めている。
アベノミクスの「第1の矢」である大胆な金融緩和は円安・株高を演出し、「第2の矢」の機動的な財政運営は景気の下支えに一定の効果を発揮した。しかし、デフレからの脱却を確実にし日本経済を成長軌道に乗せるための成長戦略は「道半ば」との印象がぬぐえないのも事実だ。
目玉の法人税減税は、現在35%程度の実効税率を来年度から5年で20%台に引き下げることを目指しているが、これを具体化する来年度税制改正の決着は衆院選後に持ち越された。
岩盤規制打破の牽引(けんいん)役を担う国家戦略特区は、対象となる東京圏など全国6カ所で、国際ビジネス拠点の整備など事業計画を策定したばかり。今回の解散で、追加の規制緩和を盛り込んだ戦略特区法改正案は廃案となった。
経済連携拡充の柱となる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉も今月の参加12カ国による首脳・閣僚会合で、日本が合流した昨年に続き年内の大筋合意が断念された。
エネルギー政策では、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)が7日に地元の同意を得て、ようやく年明けに再稼働が見通せるところまでこぎ着けた。ただ、企業の投資判断の前提となる電源別構成比「ベストミックス」は議論すら始まっていない。
首相は「成長戦略をさらに力強く実施する」と訴えるが、選挙戦ではその実現性が問われることになる。(産経より)
安倍晋三政権での最大の功績はデフレをどんな形にせよストップさせたことは評価できるのでは?と思います。デフレが進むことで物価・賃金の減少が続き、若い世代の経済的余力がなくなることで貯蓄や子育て、将来への投資ができない環境から、雇用増・賃金増への政策が重要課題ではと思います。